OEMとは何か

弊社の基幹事業は靴のOEMです。
この種の分野に携わったことがない人はピンとこない言葉かもしれません。
そこで、OEMとは何なのかについて説明します。

正式にはOriginal Equipment Manufacuturingといいます。
これは、「製造の大元はウチですよ」みたいな意味合いなんですが、日本語だといい感じに熟語化ができないため、一般的にはOEMと呼ばれています。

要は、クライアント(アパレルブランド等)の委託を受けて商品の製造を行う事業のことです。
アパレル企業(または個人でブランドの運営をしている方々)の多くは、自身が直接契約する生産工場を持っていないため、わたしたちのようなOEMメーカーに製造を委託しています。
そして、わたしたちが自社の契約工場に対し、生産に必要な情報を提供し、納品までの管理を行うというわけです。
ですから、クライアントに納品するまでがわたしたちの仕事になります。ビジネス界ではB to Bと呼ばれていますよね。
一方で、消費者に商品を売るのはクライアント側です。B to Cという形式です。

この構図はアパレル業界に限りません。
お菓子や化粧品、家電など、工業製品と呼ばれるものの多くがOEMを介して生産されています。
たとえば、ディズニーランドで売られているお菓子は、オリエンタルランド社が販売していますが、大元の製造メーカーはスーパー等でおなじみの超大手のお菓子メーカーだったりします。
そのお菓子メーカーは、自社の商品の製造だけでなく他社のOEMも行っているということになります。

このようなことから、OEMというのはクライアントの看板を背負う立場であると考えることもできます。
生半可なクオリティのものを納めてしまえば、そのクライアントの社会的な信用を傷つけるということになります。
そのため、わたしたちのようなOEMメーカーには、取り扱う商材に対するプロフェッショナルな知識・視点が求められます。
弊社の場合ですと靴がその対象になりますが、靴さえ知っていればOK、とはなりません。
着用者の足元の安全をいかにして守るか。「安全」への理解、これは靴作りの大前提です。
ファッションアイテムなのだから洋服やアクセサリー、それにまつわるトレンドの知識も欠かせません。
ターゲット層とぴったり合致した感度の高いアイテムを作るためには、そういった層のライフスタイルや価値観を知ることも大切です。

総じて、「時代を見る目がクール」であることが大事なのだと、わたしは思います。

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